死んだらどうなるかなんて知らないし、勿論天国や地獄なんて死後の世界を信じている訳でもない、つまり、死に対する興味が全くない。ただ身体が動かなくなるだけだろう。
ならば朽ちた身体から抜け出た魂はどうなのかと訊かれれば、魂の存在もどうでもいい。
もしもそれが在るのならば機能は何だ、無駄なものなど消えて当然、否、無くて当然だ。
もしも機能があるとして、それは何だろうかと考えた時、真っ先に思い付いたのは「感情」、つまりは「心」だ。心はイコールで魂なのではなかろうか、と。
脳で感じるのかもしれないが、それはあまりにもロマンがない。自分はかなりのロマンチストなのだ、できれば夢のある思考を繰り広げたい。

死ぬ間際ですら楽しく明るく、この身を包む炎の如くに激しく熱い考えをしたいものだ。



《抜け殻の存在証明》



「――っ、 。」
何を叫びたいのか自分でも解らないが、とりあえず、何か叫びたかった。言葉に大した意味はなく、空気を震わせる事に意味が有るのかもしれない。
(…バカか)
いや、ない。例え爛れた喉が上手く機能したとして、声にすら意味がないのだ。周りに誰も居ないのに、聴き手は誰も居ないのに、自分ですらも聴こえない音となるのに、何の意味が有ると?
決まっている。意味などない。まるで自分の存在のようだと、場違いに彼は自嘲した。



友人が死んだのはつい数日前の事で、自分が灯油を被り、臭いに顔をしかめながらも我が身に火を放ったのは数分前の事だ。火を着けた事のが友人が死んだ事より昔に感じるのは何故だか…。
焼身自殺は一番苦しいと聞いた。人を呪いたくて死ぬのならば最適と。
別に呪いたい程に憎い相手が居る訳ではないが、どうせならば苦しんで死にたいと考えた結果、焼身自殺となった。苦しんだら未練が想いとなって世に残るかもしれないという女々しい希望が有ったのも否定しない。
だが、やめておけば良かったと早くも後悔している。
火の粉を巻き込んで身から上がる黒煙は喉と肺を焼いて痛めるわ、肉が焼ける臭いに鼻は曲がりそうになるわ、極めつけには「痛いだけで怖くない」。最悪だ。感情が有るという事を、死に――終わりに対する恐怖を実感したかったのに、痛み以外に何も無い。
どうやら本当に自分には感情が無いようだ。やっと、そう悟った。
(自分で自分に火を着けた時点で恐怖が無いって気付きゃよかった…嗚呼、凹む…)(あ。凹むとか、無理なのか)
目の水分がパチっと音を発ててはぜる。まるで何も見えない闇に対する恐怖も、やはり無い。



さて、あと少し残る脳味噌が全て焼けて溶ける前に話を最初に戻し、そして、結論を導き出そう。
まず、要点をまとめる。
自分達には感情がない。
感情は脳で沸き上がるものなのかもしれないが、心と言って心臓を指差す者も居る限り、一概にそうとは言えないらしい。成る程、事実、悲しい時に痛むのは胸、怒り狂う時に真っ暗になるのは目の前だ。何処に有るのか判らない。
だから同じく、有るか判らないのに存在を信じられる魂と同種と仮定しよう。(感情が本当に有るのかすら判らないではないか、感情は見えるのか?)(見えない物を人は信じないクセに、感情は信じるなどと…、)

けれどそれが無いのだ。
自分達には感情が無い。これが事実。真実とも言える。
つまりは、魂がないのかもしれない。
暴論な気がしないでもないが、消滅間際に考えたのはこれだ。

「……――、っ!」(アホくせぇのは僕じゃねぇか、消えるってのに、こんなんしか考えらんねぇなんて!)


さて。
この身が全て焼けて闇に回帰したところで、無意味な存在である抜け殻の、無意味な存在理由の証明を、QEDとしよう。





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そんなこんなで、ディスクス死噺。焼身自殺ですよーん
私の好きな自殺二位、一位は首吊り…叔母が首吊り自殺したらしいんですよね、大好きだったのになぁ←
だから、と言ったらキチガイみたいですが、ごめん、人間悲しみへの対処はそれぞれ違うのですw
焼け死ぬって二次元ならいい。凄く苦しそう、私は勘弁ですね。人を呪いたくて死ぬなら焼身自殺、ってのは某サウンドノベルのホラーゲームで言ってただけですが、まぁ、納得はできるかな…?

知り合いが消え続けたので自分も消えてみた、そんなノリ。恐怖が無いからこその暴挙ですな笑

こいつは書きやすくていい(´∀`)頭が可哀想すぎて凄くいい、思考が解りやすいバカ。自キャラもよくキャラが行方不明になりますが、それがない。ブレない、よく言えば真っ直ぐ、悪く言えば思い込み野郎。思考に実直、感情ではなく思考